全方面からの悪材料に振り回されながらS&P500は第一四半期に4.95%下落。一時10％以上値下がりしていたが、3月後半の力強いベア相場暴騰で下落幅が大幅に縮小された。さて、 **エイプリルフールから始まる4月は「相場的に良い月」だと思われる。** 株式相場の季節性は、多くの売買要素の一つであり投資家が意識するほど投資行動に現れる。

規制性要因が「効く」と思われる月は以下

* **「強い」と思われる月：** 1月、4月、7月、12月
* **「弱い」と思われる月：** 5月、9月

特に今年の4月は終わった四半期が大きくマイナスだったため、昨夜から何回か「4月は上昇する月」のつぶやきや記事を見かけた。
**今回のコーナーでは過去100年間のS&P500の季節性を紹介するが、普段あまり見られない年代ごとの傾向も合わせてお見せしたい。**

一先ず月間の平均騰落率を見てみよう。

![image.png](https://grid-images-production.cryptact.com/12f9840c-6170-4568-b6fb-a90741c6ec6d)
上のテーブルの「全期間平均」を見て頂ければ確かに4月は+1.41%と、1年間の中で2番目に高い平均騰落率。ただし、そのすぐ下の標準偏差をご覧いただければ、ブレも大きいことがわかる。1年間に三番目に大きい標準偏差値である。 **要は普段強いが、ブレ幅が大きい。**

例えば1月と12月もそれぞれ+1.14%と+1.36%だが、それぞれの標準偏差が4月よりかなり低い4.74%と3.65%。つまり1月と12月は4月よりも「強いしブレが小さい」。

なお、過去の投資家コーナーで現在の高インフレと金融政策の不安定（政策ミス）を紹介してきた。すなわち、 **過去30年間なかったパラダイムが顕在化し、過去30年間の動向に従う投資をすれば大きく間違える恐れがある。**

上のテーブルで赤く1970年代を囲んでいるが、高インフレと金融政策の数多くのミスに見舞われた同年代は **実は4月が平均的にマイナスだった。** それだけではなく、 **平均的に弱いと思われる5月は著しく低調であった。**

今年の5月は数十年ぶりの0.5%の利上げと、バランスシート縮小の発表を控える可能性がある中で、 **もしかして1990年～2020年の季節性よりも1970年代の季節性が当てはまるのでは？**

しかし、上に述べた「4月のブレが大きい」のは上のブレなのか下のブレなのかは平均だけではわからないので、もう少し細かいデータが必要。次は100年にわたる最大月中下落率（初値から安値の下落率）を見てみよう。

![image.png](https://grid-images-production.cryptact.com/3be938d5-98cc-4ad0-9f20-7f8ae60025d9)
途中の下落率が大きくなる傾向があるのは、確かに5月、9月、10月あたり。一方4月は平均的に初値から2.66%値下がりするが、 **一年間の中で比較的に小さいドローダウンである。**

特に弱い9月や10月は平均的に3.92%～4.17%の月中下落率があり、5月も3.4%と高目の値。

なお1970年代もこの傾向から大きくズレてはいなかった。

そうすると4月のブレの大きさはどこからきているのだろうか。最後に100年にわたる最大月中上昇率（初値から高値の上昇率）をご紹介。

![image.png](https://grid-images-production.cryptact.com/a7ff9fe4-8b67-428a-b71f-2a70bb6b35fe)
ここではじめて4月のブレの大きさが見えてきた。1年間の中で、4月が4番目に高い最大上昇率の+3.83%。8月や10月ほどではないが、 **4月は一旦大きく上がった後、上昇幅が縮小する傾向がある月である。**

季節性要因だけで投資判断をするようなことは決してお勧めしないが、今年はストーリー的には何となくしっくりくる流れかもしれない。

例えば、 「**久しぶりに弱い四半期の後、頑張って4月にパフォーマンスを出そうとする多くの投資家が相場を持ち上げるが、途中から5月のFED決定会合、利上げ、QTを本格的に意識し始め、月後半に向けた軟調な動きを作り出す**」のような、何の根拠もない仮設を置いてみたり…

なお投資は自分自身のご判断と責任に基づいて行ってください。

では、よい週末を。

過去100年にわたるS&P500の季節性要因