昨晩の米国市場は、①失業保険申請件数が予想以下の改善で耐久財受注も予想外に減少、②バイデン大統領がインフラ投資計画で超党派の合意を得たと発表、という、どちらもサプライズということもないが、米国経済にとってプラスマイナスの混じったニュースがあった。
これを受けて、株式市場は上昇。①により金融政策の変更がさらに前倒しになるリスクは軽減した(ように見える)ことと、②の財政によるプラス寄与に対して素直に反応した印象。一方で債券市場は冷めた見方でほとんど金利は動かなかったが、それ自体がある意味株式市場にとってはいいニュースともいえるかもしれない。
FOMC以降の動きの不可解さがリスクオフの前兆としてとらえられるのか、21日のモーニングコメントでも警戒していた通りだが、今週を振り返ってみて市場全体のリスクアパタイトは大きくは落ち込まなかった印象。昨年と同じ感覚ではないのは間違いないが、リスクオフというよりかは債券市場と株式市場で見ている未来予想が異なりつつある、そのギャップが広がりつつあるというのがFOMC以降の相場だったように思う。
債券市場が正しいとすると、これだけの金融緩和と財政政策の中でもインフレはかつての水準にとどまり、それを凌駕するものにならない、金融緩和をやめれば低成長になると言っているに等しい。イコール、米国経済はかつてほどの成長を遂げないという意味にもなり、先進国で唯一といっていい成長をしていた米国がその軌道から脱落すると、それ自体が世界中の株式市場にマイナスの影響を与えるし、グローバルな成長のけん引役が事実上中国のみとなると、それは地政学リスクの観点からも警戒が増す。
個人的にはやはりこの債券市場が織り込むような低成長には違和感があるし、だからこそ金利上昇にベットしたポジションを組むには絶好の機会と考えてはいるが、過去振り返ると債券市場のほうが大体正しいことが多く、その経験則的な観点で少し不安を覚えている。
水曜にもコメントした通りだが、こういう環境だからこそマクロに左右されにくい個別銘柄、特に中小型株で2-3年で倍くらい上がりそうな銘柄の発掘に時間を使うつもり。マクロ要因で20-30%下がる影響うけたとしても、株価倍になったところから見ればプラスだよね、という視点。アイデアブックにも投稿できるよう頑張ります。
主要市場の動き
ダウ 34,196.82 (+0.95%)
S&P 4,266.49 (+0.58%)
NASDAQ 14,369.71 (+0.69%)
FTSE 7,109.97 (+0.51%)
米国10年金利 1.4902% (+0.0030)
原油 73.33 (+0.34%)
ビットコイン 3,862,694 (+4.06%)