ジャクソンホールにおけるパウエル議長の講演は結果としてハト派として受け止められた。金利はやや下落し、株式市場はNASDAQ中心に上昇。発言内容自体は目新しさを欠くものでもあり、テーパリングの時期を具体的に言及するものではなかったので、年内というワードと同時に具体的時期がない時点で来月ではないことから、実際には10-11月辺りに発表して12月開始、になるのであろうか。
年内の時点で今やらなくてもせいぜい2-3か月のズレでしかないので、もはやハトかタカかの話をしてもあまり意味ないような気もするが、あえて言えば利上げの時期についてはテーパリングとは全く別に考えている発言したのは1つの材料だったかもしれない。そういう意味では慎重な姿勢であるのは間違いなく、何かあればすぐに緩和方向へ撤回する可能性は確かにある。
本日の日経13面の記事にもあるが、株式オプションを米国の個人投資家が大きく購入している。それも本来のボラティリティから計算されるプレミアムとは関係なく割高でも購入していくことから、オプションをヘッジとして使う投資家が使えなくなり、相場が変動したときのリスク要因となっている。
通常オプションを購入したら、売った方も買った方もデルタヘッジと呼ばれる、原資産価格変動によるリスクを0にするように現物株を同時に売買するのだが、個人の場合はオプションをレバ取引のように利用するためこういったヘッジをしないことが多い。価格が下がると売り手の証券会社はガンマトレードで現物株を売るが、買い手の個人はヘッジしてないことから現物株の買いが入らず、相場が急落したときはさらに売りだけがテクニカルでも増えることになり、さらなる下落を招くという不安定さを露出することになる。
記事で書かれるくらい、このオプション周りのリスク、もっと言えば個人のレバレッジ取引のリスクが意識されてきており、テーパリングの結果として本当の爆弾はこの辺りに潜んでいるかもしれない。
主要市場の動き
ダウ 35,455.80 (+0.69%)
S&P 4,509.37 (+0.88%)
NASDAQ 15,129.50 (+1.23%)
FTSE 7,148.01 (+0.32%)
米国10年金利 1.3104% (-0.0354)
原油 69.25 (+2.20%)
ビットコイン 5,321,373 (-0.37%)