米国株式市場は微減。今週の新規失業保険申請件数は31万件と先週からさらに減少。株式市場は経済回復とテーパリングの狭間で揺れ動いてる状態である。金利は昨日は低下となった。債務上限問題が控える中、国債の発行が十分でないため再投資先の少ない現金がリバースレポに大量に流れているという記事が日経新聞にも出ていたが、超長期の国債の入札も昨日は良好であり、その結果全体的に金利が下がることとなった。債務上限引き上げが行われればこの辺りは落ち着くと思われるが、不透明なうちは国債に資金が流れやすい可能性がある。

SBIが新生銀行に対してTOBを発表。49%まで買い上げることを目的とし、価格は2000円とのこと。銀行に対しての大規模なTOBは近年珍しい。さらに新生銀行の対応次第では敵対的TOBになる可能性があるとのことで、事前に根回しをしたディールではないのが注目される。もともとSBIは20%近く保有する筆頭株主であったが、マネックスと新生銀行が近づいたことで関係悪化、今回のTOBに至るという話もあるが、それだけで30%近く買い増して実質上限いっぱいで買い上げるとも思えない(銀行を50%以上保有するとSBI本体の事業にも制約がでるため、49%がギリギリ)。
他の地銀と違って、新生銀行に対して49%も取りに行く理由はやはりレイクブランドの消費者金融はじめとした、個人向け金融事業に注目していると考えられる。カードローン、消費者金融は貸出業界の中で唯一といっていいくらいの、利鞘がしっかりとれて成長している業界である。その上、過払い問題で淘汰された結果、アコム、プロミス(SMBC100%子会社)、アイフル、レイクのみが実質的なプレイヤー。銀行業と一緒になっていることで新生銀行(レイク)のValuationは昔からディスカウントされていたので、アコムやアイフルを買うより新生銀行を買う方が結果的に安く消費者金融機能(レイク)を買える、ということではなかろうか。

本件は新生銀行の出方次第ではもつれる可能性もあり、ワンチャンに賭けて買ってみるのもありかもしれないが、同時にアコム、アイフルなど他の消費者金融会社にも再注目されるディールになり得るのではないか、と期待している。特に独立系のアイフルなどは株価を上げていかないと買収先になり得るため、今後の施策にも期待したいところである。