23日の米国市場は、金利が1.4%台へ急上昇。21－22日に開かれたFOMCで、FRBが早ければ11月にテーパリングを開始し、利上げも22年中に行われるシナリオがより現実化しつつあることが示された。これを受けて22日の債券市場はメッセージの消化に混乱しており、金利が上昇する局面もあれば、下落する局面もあり方向性が定まっていなかった。一方で、昨日の23日は金利が上昇し始め最終的には1.4%台に乗せることになった。欧州の中銀もタカ派なメッセージを出し続けていることから各国の利回りが上昇しており、珍しく？米国の利回りも他の国債の流れに追随していったような模様となった。


もっとも、FOMCの受け止め方は引き続きやや混乱している部分もあり、株式市場では「特段のサプライズもなく、引き続き緩和姿勢の継続。利上げも当面ないことがわかった。」という受け止め方であり、金利の急上昇が示すようなタカ派なメッセージとは思っていない。むしろ安心感から昨日は大きく買われることとなった。

異なる市場で異なる動きとなっているように見えるが、あえて整理してみれば、株式市場の動きのように緩和姿勢の継続だったとしても、現状の金利水準はあまりに低すぎたため是正が入ったということはあるだろう。1.3-1.4%の水準というのは、あまりにハト派、ないし経済に対して悲観的すぎるとは思う。

他、中国の恒大についての懸念がいったん後退したことも大きいのだろう。といっても、本質的には状況は変わらず綱渡りをし続けている状態なので、各報道をそのまま鵜呑みにするのは（特に中国の場合）あまりよくない。デフォルト回避に向けて、当面ドル建て社債の利払いを行うように中国政府が指示した、との報道や、一方で政府が地方自治体に対して破綻に備えるように指示している、といった報道も出ている。これを見るとドル債はデフォルトさせず、人民元建は債務整理させようとしているのかもしれない。事実かどうか不明だが、こういったことをやろうとできるのも中国ならでは。

いずれにせよ、恒大の裏で政府があれこれと動いているのは間違いなさそう。西欧や日本と異なり、ルールの強制的な書き換えなど政府ができることが非常に大きいので、その政府が少なくとも無秩序な破綻を回避しようとしているのが安心感に繋がっている。何でもできる政府は危機もコントロールできる、という条件付だが。

【2021.09.24】FOMC後の金利の動きがようやく定まった？恒大の裏に見え隠れする中国政府。