先週金曜日の米国市場はほぼ横ばい。FRBのパウエル議長は、テーパリングは近く開始すべき、ただし雇用水準の低さや来年にはコロナ禍のインフレ圧力は弱まる可能性があるので、利上げはまだすべきではない、とコメントした。これにより、10年金利は一時1.7%を超える局面もあったが、最終的な1.63%に下落。元々インフレはないと言っていたパウエル議長だったが、現状ではインフレしていることは認めつつ来年にかけて弱まっていくというスタンスに切り替わっている。

利上げに言及していることをどう考えるか難しいが、文字通りまだ利上げは不要という言葉が最終的に勝ったのか金利は下落した。10月中は1.6%台程度ではないか?と、過去のモーニングコメントで予想していたが、いよいよ11月に入りテーパリングが開始されると、コロナ禍の最高水準である1.7%台後半を試してくる可能性があると考えている。これを突破していくと、どこまで上がるか予想しづらい。

株式市場はこれらの動きに警戒気味ではあるものの、全体でみれば比較的好調な決算を受けて水準を保っている。全体が大崩れしないまま金利上昇と政策への警戒だけが残っており、金融株が一人勝ちするような構造は出来上がっている。全体が崩れだすと金融株はもろいものだが、決算の強さがのこるのであれば案外11月中は金融株は強いかもしれない。そう思えた日でもあった。

今週から決算が本格化。今週分では、個人的にはルネサスや商船三井が今後の市況に対してどういう見通しを発表してくれるか興味を持っている。グローバルなインフレ要因に繋がっている供給不足の解消を占ううえで重要な定点観測になりえる。また一番多くの決算が出るのは11月の第2週となるが、選挙でサプライズがあるのかどうかでも、決算相場の動きは変わってきそうで読みにくい状況。初心にかえって、決算見通しも好調な企業が下落すれば丁寧に拾っていく、というスタンスで決算シーズンを迎える予定。

主要市場の動き

ダウ 35,677.02 (+0.21%)
S&P 4,544.90 (-0.11%)
NASDAQ 15,090.20 (-0.82%)
FTSE 7,204.55 (+0.20%)
米国10年金利 1.6377% (-0.0510)
原油 84.06 (+1.90%)
ビットコイン 6,913,561 (-0.36%)