トルコリラショート

イスラーム法はある種の金属主義・商品貨幣論を採っている．貨幣に含有される貴金属の価値が貨幣の価値であるということである．すると，金属ではなく徴税権力によって価値が担保される現代の信用貨幣や，現代的な銀行における預金（金庫の中の預金ではない）は，無価値であると考えられる．（あるいはそこに価値を見出すことは偶像崇拝である．）また，同一商品の交換は同等に行われなければないとされ，商品Aが不足する時期と，商品Aが豊富にある時期とで，時間差の信用取引をする場合でも，同量の商品Aを交換することしかできない．このようにリスクプレミアムや利息を取ることができないと解釈されることがある．エルドアン大統領は高インフレ下にもかかわらず法定金利の引き上げを強固に反対しているが，世俗法よりもイスラーム法による統治を望んでいることが，その理由であろう．また，トルコはEU諸国と比べて労働者の平均労働時間は長いけれども，代わりに専業主婦が多いため，労働供給（生産力）がそこまで高くない．それにもかかわらず行政サービスは悪くなく税負担もそんなに高くないという捻れた状態にある．さらにまた，国民は長い高インフレ経済に慣れているゆえ，自国通貨で貯金する（需要を減らす）よりも，刹那的に消費したり，貴金属や外貨や暗号通貨や土地その他コモディティなどとして蓄えがちである．もちろん外貨建債務の大きさも無視できない．こうした多くの要因が全てインフレに結びついている．先日トルコリラが急激に上昇した．というのも「トルコリラ建て預金に外貨換算で生じた損失を補填する」という信じられない政策の導入を表明したからである．これは，トルコリラの価値を外貨に対して固定しようとするものであり，変動為替制と相容れない（持続性がない）．10年20年程度でトルコのインフレ経済が改善されるとは全く信じられないためショート．

#	Side	Instrument	Volume	Price at inception	Current price	Change	P&L
1	Short	Turkish LiraTRY	100000	¥10.48	¥7.52	-28.24%	¥296,100.00
Total							¥296,100.00

トルコリラショート

+28.24%

Closed

35d 23h 20m 0s

Strategy Percentage Return