［１１月４日からの１週間の展望］
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　　　週間高低（カッコ内は日）　　　　　　    10 月 28 日〜 11 月 1 日
　　　　　　　始　値　　高　値　　  　安　値　     終　値　 前週比
ドル・円　　  152.51   153.88(28)    151.79( 1)    152.36   +0.05
ユーロ・ドル  1.0804   1.0889( 1)    1.0769(29)    1.0873   +0.0077
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国内株・金利／米国株・金利
                  終　値　　前週末比　　　　 　　　　   　 終　値　 前週末比
日経平均株価    38,053.67     +139.75     日本10年債利回り   0.950   -0.006
ダウ平均株価    41,763.46     -350.94     米10年債利回り     4.284   +0.045
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＜来週の主要経済統計等＞
４日　　独１０月製造業ＰＭＩ確報値
　　　　ユーロ圏１０月製造業ＰＭＩ確報値
　　　　米９月製造業受注
５日　　中国１０月財新サービス業ＰＭＩ
　　　　豪中銀（ＲＢＡ）政策金利
　　　　スイス１０月雇用統計
　　　　英１０月サービス業ＰＭＩ確報値
　　　　カナダ９月貿易収支
　　　　米９月貿易収支
　　　　米１０月ＩＳＭ非製造業景況指数
　　　　◆米大統領選挙
６日　　ＮＺ第３四半期雇用統計
　　　　独９月製造業受注指数
　　　　独１０月サービス業ＰＭＩ確報値
　　　　ユーロ圏１０月サービス業ＰＭＩ確報値
　　　　ユーロ圏９月生産者物価指数
　　　　米１０月サービス業ＰＭＩ確報値
　　　　カナダ１０月Ｉｖｅｙ購買部協会指数
７日　　豪９月貿易収支
　　　　中国１０月貿易収支
　　　　独９月鉱工業生産指数、独９月貿易収支
　　　　ユーロ圏９月小売売上高
　　　　英中銀（ＢＯＥ）政策金利
　　　　米第３四半期非農業部門労働生産性指数、米新規失業保険申請件数
　　　　米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ、６〜７日）政策金利
　　　　パウエルＦＲＢ議長記者会見
８日　　日本９月勤労者世帯家計調査
　　　　日本９月景気動向指数速報値
　　　　カナダ１０月雇用統計
　　　　米１１月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値
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【前回のレビュー】今後は米経済指標の動向や米大統領選への思惑などに左右されやす
い展開が見込まれる。１０月２８日の週は米雇用統計をはじめとして注目度の高い経済
指標が多い。米経済指標も大幅に悪化するものは少なく、米国経済の底堅さが示されて
ドルの下支えをして、ドル円は堅調な動きになるとした。

【ドル円はイベントを控えてレンジ内でのもみ合いに】
　１０月２８日のドル円は前日の衆議院議員選挙で与党の過半数割れとなったことで、
政局の不透明感から円売りの動きとなり、東京市場では１５３．８０台まで上値を伸ば
した。ただ、急速な上げの反動もあり、ロンドン市場で１５２円台半ばまで下落した。
その後は１１月１日の米１０月雇用統計や１１月５日の米大統領選挙を控えて、模様眺
め気分が広がった。積極的にポジションを一方向に傾ける動きとはなりにくく、１０月
３０日にかけておおむね１５２〜１５３円台での振幅が続いた。

　１０月３１日の日銀金融政策決定会合の結果発表では大方の予想通り、政策金利は据
え置きとなり、金融政策に変更はなかった。政策金利が据え置かれたが、展望レポート
で２０２５年度の物価見通しについて「上振れリスクの方が大きい」としたことで円買
いに傾いた。

　さらに植田日銀総裁会見ではこれまでの「時間的余裕がある」との表現を取り下げ
て、毎回の会合でデータを確認するとしたことが、市場での年内利上げ観測につながっ
た。植田総裁の会見が市場の想定よりもタカ派的であるとの見方がドル売り円買いにつ
ながり、ドル円は１５２円を割り込むなど、上値の重い動きを見せている。

【米経済指標はまちまちながらおおむね堅調】
　米経済指標に着目すると、１０月２９日の米９月雇用動態調査（ＪＯＬＴＳ）求人件
数は７４４．３万人となり、市場予想（８００．０万人）を下回り、前回値も下方修正
された。これはハリケーンの影響が大きいとみられている。同日の米１０月消費者信頼
感指数（コンファレンスボード）は１０８．７となり市場予想（９９．２）や前回値
（９９．２＝改定値）を上回った。

　また、１０月３０日に発表された１０月の米ＡＤＰ雇用統計は前月比２３．３万人増
と市場予想（１１．１万人増）を大きく上回った。同日の米第３四半期国内総生産（Ｇ
ＤＰ）速報値は前期比年率＋２．８％と市場予想の＋３．０％を下回ったものの、米第
３四半期個人消費は＋３．７％と市場予想の＋３．３％を上回った。第３四半期の個人
消費支出（ＰＣＥ）コアデフレーターは＋２．２％と市場予想の＋２．１％を上回った
ものの、前回（第２四半期確報値）の＋２．８％を下回った。インフレが減速する中、
個人消費が伸びており、米国景気は底堅いことが示された。

　１０月３１日の米９月個人消費支出（ＰＣＥ）物価指数はおおむね市場予想の通りで
となったが、コア前年比は＋２．７％となり市場予想（＋２．６％）を上回った。同日
の新規失業保険申請件数は２１．６万件と市場予想を下回った。米雇用コスト指数は
０．８％と前回の０．９％を下回った。全体としてはまちまちの結果となった。米国経
済指標は一部に弱さも見られるものの、良好なものも多く、急速に景気が悪化するよう
な兆候はみられない。

　米大統領選挙は事前の報道ではかなりの接戦となっている。激戦７州の多くではトラ
ンプ候補優位との報道が広がっている。トランプ氏再選となれば、輸入関税の強化など
からインフレ圧力の高まりにつながるとみられている。

　ＣＭＥ　ＦＥＤウォッチによると、１１月の米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）での
０．２５％の利下げ確率は９６％前後となっている。１２月のＦＯＭＣでさらに０．２
５％利下げする確率は６９％前後となっており、１１月に利下げして１２月に利下げな
しの確率は２９％前後となっている。１１月６−７日のＦＯＭＣで０．２５％の利下げ
はほぼ確実とみられる。声明やパウエル議長の記者会見が注目される。このところの米
経済指標は堅調なものも多く、１２月の利下げの可能性を強く示唆するようなことはな
いとみられる。

　今後のドル円はＦＯＭＣ、米経済指標の動向、米大統領選の結果などに左右されやす
い展開が見込まれる。米経済指標も大きく悪化するものは少なく、米国経済の底堅さが
示されてドル円の下支えをしそうだ。日銀による利上げ観測などが円買いにつながる可
能性はあるものの、ドル円は高値圏でのもみ合いとなりそうだ。ドル円の目先の予想レ
ンジは、１４８．００〜１５４．００円。

　日米の経済指標やイベントとしては、４日に米９月製造業受注、５日に米９月貿易収
支、米１０月ＩＳＭ非製造業景況指数、米大統領選挙、６日に米１０月サービス業ＰＭ
Ｉ確報値、７日に米第３四半期非農業部門労働生産性指数、米新規失業保険申請件数、
米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ、６〜７日）政策金利、パウエルＦＲＢ議長記者会
見、８日に日本９月勤労者世帯家計調査、日本９月景気動向指数速報値、米１１月ミシ
ガン大学消費者信頼感指数速報値などがある。

【ユーロドルは戻り歩調で推移か】
　１０月３０日の独第３四半期ＧＤＰ速報値はおおむね市場予想を上回る結果となり、
同日の独１０月消費者物価指数速報値は前月比、前年比、コア前月比、コア前年比とい
ずれも市場予想を上回った。１０月３１日のユーロ圏第３四半期ＧＤＰ速報値は前期
比、前年比ともに市場予想を上回った。同日のユーロ圏１０月消費者物価指数速報値も
前月比、前年比、コア前年比のいずれも予想を上回った。

　ユーロ圏経済はドイツの景気減速などが警戒されて、景気の先行きへの懸念が広がっ
ていたものの、景気は改善傾向を見せ、インフレ率は下げ渋りを見せている。ドイツや
ユーロ圏の経済指標の改善がユーロドルの下支え要因となりそうだ。
　ユーロドルは長らく下げが続いてきた反動から、底入れの兆しが出てきており、１．
０８００ドル割れでは買いに支えられやすい動きを見せている。テクニカル的には５日
移動平均線がサポートとなり、長らく上値抵抗となってきたボリンジャーバンド−１Σ
を上抜いてきた。こうした中、戻り歩調で推移するとみられる。ユーロドルの目先の予
想レンジは、１．０８００〜１．１０００ドル。

　１０月３０日に英秋季予算案がリーブス英財務相から発表された。同財務相は国民保
険料の引き上げなどで４００億ポンド規模の増税を発表。キャピタルゲイン課税の最高
税率を２４％に引き上げるといった内容を発表した。発表直後はポンドドルのサポート
要因となり、１．３０４０台まで上昇した。ただ、買いは続かずに１．３０００ドル割
れまで下落した。

　ポンドドルはその後も上値重く推移している。３１日には１．２９００ドルを割り込
み、１．２８台前半まで下落した。前日のリーブス英財務相の秋季予算案で、過去最大
規模となる増税計画を発表、財政ルールを変更し、今後数年間の大幅な借り入れを可能
にしたことなどが嫌気された可能性がある。７日の英金融政策委員会（ＭＰＣ）では政
策金利は０．２５％の利下げが見込まれている。米長期金利の堅調さが続く中、ポンド
ドルは上値の重い展開となりそうだ。ポンドドルの目先の予想レンジは、１．２６００
〜１．３０５０ドル。

　日米以外の今後の経済指標やイベントは、４日に独１０月製造業ＰＭＩ確報値、ユー
ロ圏１０月製造業ＰＭＩ確報値、５日に中国１０月財新サービス業ＰＭＩ、豪中銀（Ｒ
ＢＡ）政策金利、スイス１０月雇用統計、英１０月サービス業ＰＭＩ確報値、カナダ９
月貿易収支、６日にＮＺ第３四半期雇用統計、独９月製造業受注指数、独１０月サービ
ス業ＰＭＩ確報値、ユーロ圏１０月サービス業ＰＭＩ確報値、ユーロ圏９月生産者物価
指数、７日に豪９月貿易収支、中国１０月貿易収支、独９月鉱工業生産指数、独９月貿
易収支、ユーロ圏９月小売売上高、英中銀（ＢＯＥ）政策金利、８日にカナダ１０月雇
用統計などがある。

MINKABU PRESS 佐藤昌彦

※投資や売買についての判断は自己責任でお願いします。

為替週間展望＝ドル円は高値圏でのもみ合いか