［１月２０日からの１週間の展望］
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　　　週間高低（カッコ内は日）　　　　　　    1 月 13 日〜 1 月 17 日
　　　　　　　始　値　　高　値　　  　安　値　     終　値　 前週比
ドル・円　　  157.75   158.20(14)    154.98(17)    156.30   -1.43
ユーロ・ドル  1.0237   1.0354(15)    1.0178(13)    1.0273   +0.0029
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国内株・金利／米国株・金利
                  終　値　　前週末比　　　　 　　　　   　 終　値　 前週末比
日経平均株価    38,451.46     -738.94     日本10年債利回り   1.207   +0.004
ダウ平均株価    43,487.83    +1549.38     米10年債利回り     4.627   -0.132
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＜来週の主要経済統計等＞
２０日　日本１１月機械受注
　　　　英１月ライトムーブ住宅価格
　　　　中国最優遇貸出金利（ローンプライムレート　１年、５年）
　　　　日本１１月鉱工業生産指数確報値
　　　　独１２月生産者物価指数
　　　　スイス１２月生産者輸入価格
　　　　世界経済フォーラム（ＷＥＦ）年次総会（２０−２４日）
　　　　米大統領就任式
２１日　英１２月雇用統計
　　　　独１月ＺＥＷ景況感指数
　　　　カナダ１２月消費者物価指数
２２日　ＮＺ第４四半期消費者物価
　　　　カナダ１２月鉱工業製品価格
　　　　米１２月景気先行指数
２３日　日本１２月貿易収支
　　　　カナダ１１月小売売上高
　　　　米新規失業保険申請件数
２４日　日本１２月消費者物価指数
　　　　日銀金融政策決定会合（２３−２４日）・金融政策発表
　　　　植田日銀総裁記者会見
　　　　独１月製造業ＰＭＩ速報値、独１月サービス業ＰＭＩ速報値
　　　　ユーロ圏１月製造業ＰＭＩ速報値、ユーロ圏１月サービス業ＰＭＩ速報値
　　　　英１月製造業ＰＭＩ速報値、英１月サービス業ＰＭＩ速報値
　　　　米１月製造業ＰＭＩ速報値、米１月サービス業ＰＭＩ速報値
　　　　米１月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値
　　　　米１２月中古住宅販売件数
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【前回のレビュー】米経済指標は引き続き堅調なものが多いとみられ、米長期金利の高
止まり傾向は続いて、ドルは底堅い動きを見せる可能性が高い。トランプ次期大統領に
関する報道が波乱要因となりうる。こうした中でも、ドル円については大きな崩れはな
いとみられ、高値圏での一進一退の動きが続くとした。

【日銀の利上げ観測と米消費者物価指数の下振れでドル売り円買い】
　１３日の週は週前半にドル円は１５６円台後半から１５８円台前半での推移となっ
た。その後１５日以降にドル安円高に傾いた。１４日に日銀の氷見野副総裁は講演を行
い、「経済見通しが実現すれば利上げへ」「来週の決定会合では利上げを行うかどうか
議論し判断する」「支店長会議でも全体的に強めの報告が多い」「内外に上下双方向の
リスク要因を注意深く判断する必要がある」などと述べた。発言を受けて上下に振幅し
たものの、１月利上げへ向けた明確なヒントはなかった。

　１５日には日銀の植田総裁は「経済物価の改善続くなら政策金利引き上げへ、来週利
上げの是非を判断する」「支店長会議で前向きな兆し多かった」「利上げを巡る判断は
米国の政策や春闘の賃金動向次第、それらを精査し来週の会合で利上げ行うか判断す
る」などと述べた。日銀が１月の決定会合で利上げに動くとの見方が広がり、円買いの
動きに傾き、ドル円は１５７円台後半から円高に傾いた。

　１５日に発表された１２月の米消費者物価指数の下振れもあって、ドル円は一時１５
６円割れまでドル安円高に振れた。さらに１６日には日銀による利上げ観測の高まりか
ら１５５円台前半まで下落した。その後１５６円台に戻したものの、１６日のＮＹ市場
で、タカ派として知られる米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）のウォラー理事が「前日の
米ＣＰＩのデータは非常に良好」「インフレが低下すれば、市場が予想するよりも数多
くの利下げの可能性がある」「３月利下げの可能性が排除されることはない」などと述
べたことでドル売りに傾いた。ドル円は１５５．１０近辺まで下落した。いったん戻し
た後、１７日には一時１５５円を割り込んだ。ただ、その後はドル売り円買いが一服し
て１５６円台を回復して週の取引を終えた。

　１２月の米消費者物価指数は、総合は前月比＋０．４％、前年比＋２．９％と市場予
想通りとなった。コアは前年比＋０．２％、前年比＋３．２％となりそれぞれ市場予想
（＋０．３％、３．３％）を下回った。コア前月比は昨年８月分から＋０．３％が続い
てきたものの、今回はその水準から低下した。コア前年比は昨年９月分から＋３．３％
で推移してきたが、今回は低下に転じた。コアは前月比、前年比ともに低下しにくくな
っていたところ、今回は予想や前回値を下回った。１４日に発表された１２月の米生産
者物価指数も市場予想を下振れしたこともあり、米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）によ
る利下げペース鈍化への警戒感が後退した。

　米消費者物価指数のコアの下振れにより、米長期金利が低下、ドル売りの動きに傾い
た。これまでに発表されてきた米雇用関連指標が好調だったことやトランプ次期大統領
による関税引き上げ観測により、米長期金利が上昇傾向にあり、ドルの下値を支えてき
たが、その動きが一服している。

【米大統領就任式や日銀金融政策決定会合に注目】
　２０日に米大統領就任式となり、トランプ氏が大統領に返り咲く。就任演説で正式に
政権の方向性が示されるとみられる。それに加えて初日に多くの大統領令が出されるも
の予想される。関税については市場を混乱させるような厳しい内容が出てくる可能性も
ありそうだ。積極的な関税政策はドル高に傾く要因となろう。

　１月２３−２４日に日銀金融政策決定会合が開催される。これまでの植田総裁の発言
を受けて、今回の会合で０．２５％の利上げに動くとの見方が広がっている。実際に利
上げとなった場合、それまでにどの程度織り込まれているかによるが、一段の円高に傾
く可能性があるとみられる。

　日米の経済指標やイベントとしては、２０日に日本１１月機械受注、日本１１月鉱工
業生産指数確報値、トランプ次期大統領就任式、２２日に米１２月景気先行指数、２３
日に日本１２月貿易収支、米新規失業保険申請件数、２４日に日本１２月消費者物価指
数、日銀金融政策決定会合（２３−２４日）・金融政策発表、植田日銀総裁記者会見、
米１月製造業ＰＭＩ速報値、米１月サービス業ＰＭＩ速報値、米１月ミシガン大学消費
者信頼感指数確報値、米１２月中古住宅販売件数などがある。

　トランプ氏の大統領就任、日銀金融政策決定会合など、マーケットを大きく動かす要
因があり、ドル円は上下に大きく振幅しやすい展開になるとみられる。こうした中、ド
ル円は材料次第で荒れた展開が見込まれる。ドル円の目先の予想レンジは、１５３．０
０〜１５９．００円。

【ユーロドルは下基調で推移か】
　１０日に発表された１２月の米雇用統計が強い結果となり、週明けの１３日もユーロ
売りドル買いの動きが続いた。１３日のロンドン時間には１．０１７８近辺まで下落し
た。その後はドルの堅調な流れが一服して、ユーロドルは１．０３５０近辺まで戻りを
見せた。ただ、戻りの動きは限定的となっている。

　底堅い動きを見せる米国経済と比べて、ユーロ圏の景気は不透明感が広がっている。
こうした中、１月３０日の欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事会での０．２５％の利下げ確率
は９０％前後に上昇している。米国と比べて相対的に景気が弱く、今月のＥＣＢ理事会
での利下げも濃厚なことから、ユーロドルは戻しても２１日移動平均線に上値を抑えら
れて、下落基調で推移するとみられる。下げが加速するとパリティ（１ユーロ＝１ド
ル）が視野に入ってくる。ユーロドルの目先の予想レンジは、１．００５０〜１．０３
５０ドル。

　ポンドドルもユーロドルと同様に上値の重い動きが続いている。１３日には一時１．
２１００ドル近辺まで下落した。その後下げ渋りを見せたものの、１１月の英鉱工業生
産、製造業生産高、月次ＧＤＰが予想を下回る弱さを見せたことで、上値を抑えられて
いる。スターマー政権による増税を受けて英景気の鈍化懸念が広がっている。こうした
中、２月６日の英金融政策委員会（ＭＰＣ）では利下げ確率が９０％前後まで上昇して
いる。こうした中、ポンドドルは一段と下値を探る展開が見込まれる。ポンドドルの目
先の予想レンジは、１．２０００〜１．２３５０ドル。

　日米以外の今後の経済指標やイベントは、２０日に英１月ライトムーブ住宅価格、中
国最優遇貸出金利（ローンプライムレート　１年、５年）、独１２月生産者物価指数、
スイス１２月生産者輸入価格、２１日に英１２月雇用統計、独１月ＺＥＷ景況感指数、
カナダ１２月消費者物価指数、２２日にＮＺ第４四半期消費者物価、カナダ１２月鉱工
業製品価格、２３日にカナダ１１月小売売上高、２４日に独１月製造業ＰＭＩ速報値、
独１月サービス業ＰＭＩ速報値、ユーロ圏１月製造業ＰＭＩ速報値、ユーロ圏１月サー
ビス業ＰＭＩ速報値、英１月製造業ＰＭＩ速報値、英１月サービス業ＰＭＩ速報値など
がある。

MINKABU PRESS 佐藤昌彦

※投資や売買についての判断は自己責任でお願いします。

為替週間展望＝ドル円は材料次第で荒れた動きか