［４月２１日からの１週間の展望］
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　　　週間高低（カッコ内は日）　　　　　　    4 月 14 日〜 4 月 18 日
　　　　　　　始　値　　高　値　　  　安　値　     終　値　 前週比
ドル・円　　  144.15   144.31(14)    141.62(17)    142.34   -1.20
ユーロ・ドル  1.1297   1.1425(14)    1.1264(15)    1.1370   +0.0015
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国内株・金利／米国株・金利
                  終　値　　前週末比　　　　 　　　　   　 終　値　 前週末比
日経平均株価    34,730.28    +1144.70     日本10年債利回り   1.294   -0.030
ダウ平均株価    39,142.23    -1070.48     米10年債利回り     4.325   -0.165
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＜来週の主要経済統計等＞
２１日　中国最優遇貸出金利（ローンプライムレート　１年　５年）
　　　　米３月景気先行指数
　　　　※国際通貨基金（ＩＭＦ）と世界銀行が春季会合（２６日まで）
２２日　ＮＺ３月貿易収支
　　　　カナダ３月鉱工業製品価格
　　　　※ＩＭＦが世界経済見通し（ＷＥＯ）を発表
２３日　独４月製造業ＰＭＩ速報値、独４月サービス業ＰＭＩ速報値
　　　　ユーロ圏４月製造業ＰＭＩ速報値、ユーロ圏４月サービス業ＰＭＩ速報値
　　　　英４月製造業ＰＭＩ速報値、英４月サービス業ＰＭＩ速報値
　　　　ユーロ圏２月貿易収支
　　　　米４月製造業ＰＭＩ速報値、米４月サービス業ＰＭＩ速報値
　　　　米３月新築住宅販売件数
　　　　米３月住宅着工・許可件数
　　　　※２０カ国・地域（Ｇ２０）財務相・中央銀行総裁会議（２４日まで）
２４日　独４月ｉｆｏ景況感指数
　　　　米３月耐久財受注
　　　　米新規失業保険申請件数
　　　　米３月中古住宅販売件数
２５日　英３月小売売上高
　　　　独４月小売売上高指数
　　　　カナダ２月小売売上高
　　　　米４月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値
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【前回のレビュー】日米の株式市場が大荒れの展開となる中、通貨も荒れた展開を見せ
ている。当面はトランプ米大統領による関税関連の報道に振り回されやすい展開が続く
とみられる。日米の経済指標の影響は限定的となりそうだ。米中貿易摩擦が激化するよ
うなら、一段とドル売りが進んでドル円はさらに軟調な動きを見せるとした。

【ドル円は下落基調も下げは一服】
　トランプ政権による関税と、それに関する発言や報道などに左右される展開が続いて
いる。ドル円は１０日に１４５円を割り込むとその後は軟調な流れが継続してきた。関
税関連の報道に一喜一憂しながらＮＹダウや日経平均は荒れた動きを続けており、ドル
円はリスク回避の円買いの動きから上値を抑えられやすい展開が続いてきた。

　１６日に米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）のパウエル議長は講演で「当面は透明性向
上を待つ状況が整っている」と慎重姿勢を改めて強調した。また、関税が経済に与える
影響は予想より大きい可能性が高く、インフレに及ぼす影響も比較的長期化する可能性
にも言及したことから、市場は先行き懸念を強めて、早期の利下げ期待を後退させた。
リスク回避の動きからドル円は１４１．６０台まで下落した。

　また、１７日に開催される日米の関税政策を巡る交渉で、為替が議題に上り、米国政
府から円安是正を求められるとの思惑が広がり、円買いにつながった面もある。ドル円
は日本時間の１７日の朝方には１４１．６２台までドル売り円買いが進んだ。

　日本時間の１７日の朝に赤沢経済財政・再生相が、ホワイトハウスでトランプ米大統
領やベッセント米財務長官、ラトニック米商務長官、グリア米通商代表部（ＵＳＴＲ）
代表らと会談した。赤沢経済財政・再生相は為替に関する議論はなかったと述べてい
る。また、今月中に再度協議することで合意したことも明らかにしている。

　関税に関する協議の中で為替に関して議論がなかったということが明らかになり、米
国が日本に対して円安是正を強く迫るとの思惑が後退して円安に傾いた。その後ドル円
は１４３円台に一時乗せている。

　トランプ米大統領は１７日に「パウエルＦＲＢ議長は常に遅過ぎ、間違える」、パウ
エル氏解任は「パウエル議長の解任は早ければ早いほど良い」などとＳＮＳへ投稿し
て、パウエル議長への不満をぶちまけた。これが嫌気されて米国株は下落している。

【今後もトランプ関税関連の報道で上下に振幅か】
　日米の経済指標やイベントとしては、２１日に米３月景気先行指数、２３日に米４月
製造業ＰＭＩ速報値、米４月サービス業ＰＭＩ速報値、米３月新築住宅販売件数、米３
月住宅着工・許可件数、２４日に米３月耐久財受注、米新規失業保険申請件数、米３月
中古住宅販売件数、２５日に米４月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値などがある。

　日米の株価は一時期と比べると徐々に落ち着きを見せつつあるが、この状況はトラン
プ発言次第で変化しそうだ。ドル円も１４１円台半ばまで下落した後１４３円台まで戻
し、その後は１４２円台で推移するなど、円高進行は一服している。今後は日米関税交
渉の行方が注目される。また、トランプ米大統領の不規則発言にも左右されやすい展開
が見込まれる。

　さらに米中貿易摩擦の激化は米ハイテク株の下げにつながり、米国株への売り圧力と
なる可能性もあり、予断を許さない状況となっている。トランプ発言などに振り回され
やすい中、ドル円は上値が重いながらも上下に振幅して方向性を探る展開となりそう
だ。ドル円の目先の予想レンジは、１３８．００−１４６．００円。

【ユーロドルは堅調な推移が継続か】
　１７日の欧州中央銀行（ＥＣＢ）理事会では０．２５％の利下げを決定した。声明文
では、「成長見通しは貿易問題による緊張で悪化している」「インフレ低下に関する大
半の指標は、インフレが中期的目標２％近辺に落ち着くこと示唆している」などの見解
を示した。

　理事会後の記者会見でラガルド総裁は、「経済見通しは異例の不確実性により不透明
になっている」「貿易摩擦と不確実性が投資に重石となっている」「利下げの決定は全
会一致だった。５０ＢＰ利下げを主張した者はいなかった」「経済成長の下方リスクが
増している」「通商戦争が物価見通しの不透明性を増している」などと述べた。

　今回の利下げは市場予想通りであり、ラガルド総裁の記者会見の内容もおおむね想定
通りの内容だったことで、ユーロドルは１．１３台前半から後半での振幅にとどまり、
目立った値動きはなかった。ユーロドルは１１日に１．１４７０台まで上昇した後は高
値圏でのもみ合いとなっている。大きな崩れもなく、高値圏で振幅しており、堅調な推
移が続くとみられる。ユーロドルの目先の予想レンジは、１．１２００−１．１５５０
ドル。

　ポンドドルは上昇基調が続いて１．３３００ドルに迫る動きを見せている。高値圏で
のもみ合いとなっており、底堅い推移を見せている。徐々に上値を追う動きを見せてお
り、堅調な推移が続くとみられる。ポンドドルの目先の予想レンジは、１．３１００−
１．３４５０ドル。

　日米以外の今後の経済指標やイベントは、２１日に中国最優遇貸出金利（ローンプラ
イムレート　１年　５年）、２２日にＺ３月貿易収支、２３日に独４月製造業ＰＭＩ速
報値、独４月サービス業ＰＭＩ速報値、ユーロ圏４月製造業ＰＭＩ速報値、ユーロ圏４
月サービス業ＰＭＩ速報値、英４月製造業ＰＭＩ速報値、英４月サービス業ＰＭＩ速報
値、ユーロ圏２月貿易収支、２４日に独４月ＩＦＯ景況感指数、２５日に英３月小売売
上高、独４月小売売上高指数、カナダ２月小売売上高などがある。

MINKABU PRESS 佐藤昌彦

※投資や売買についての判断は自己責任でお願いします。

為替週間展望＝ドル円は荒れた動きの中、上値重く推移か