［４月２８日からの１週間の展望］
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　　　週間高低（カッコ内は日）　　　　　　    4 月 21 日〜 4 月 25 日
　　　　　　　始　値　　高　値　　  　安　値　     終　値　 前週比
ドル・円　　  142.23   144.03(25)    139.89(22)    143.67   +1.49
ユーロ・ドル  1.1387   1.1573(21)    1.1308(23)    1.1365   -0.0028
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国内株・金利／米国株・金利
                  終　値　　前週末比　　　　 　　　　   　 終　値　 前週末比
日経平均株価    35,705.74     +975.46     日本10年債利回り   1.341   +0.048
ダウ平均株価    40,113.50     +971.27     米10年債利回り     4.235   -0.090
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＜来週の主要経済統計等＞
２９日　米２月住宅価格指数、米２月Ｓ＆Ｐケースシラー住宅価格指数
　　　　米３月雇用動態調査（ＪＯＬＴＳ）求人件数、米４月消費者信頼感指数
３０日　日本３月小売業販売額、日本３月鉱工業生産指数速報値
　　　　豪３月消費者物価指数、豪第３四半期消費者物価指数
　　　　中国４月製造業ＰＭＩ、中国４月サービス業ＰＭＩ
　　　　中国４月財新製造業ＰＭＩ
　　　　日本２月景気動向指数改定値
　　　　スイス４月ＫＯＦ先行指数
　　　　独４月雇用統計、独第１四半期ＧＤＰ速報値
　　　　ユーロ圏第１四半期ＧＤＰ速報値
　　　　独４月消費者物価指数速報値
　　　　米４月ＡＤＰ雇用統計
　　　　米第１四半期ＧＤＰ速報値、米第１四半期雇用コスト指数
　　　　米４月シカゴ購買部協会景気指数
　　　　米３月個人所得・個人支、米３月個人消費支出（ＰＣＥ）価格指数
１日　　豪３月貿易収支
　　　　日銀金融政策決定会合（４月３０−５月１日）金融政策発表
　　　　植田日銀総裁記者会見
　　　　スイス３月小売売上高
　　　　米新規失業保険申請件数
　　　　米４月製造業ＰＭＩ確報値
　　　　米４月ＩＳＭ製造業景況指数、米３月建設支出
２日　　日本３月雇用統計、日本３月有効求人倍率
　　　　豪第１四半期生産者物価指数、豪３月小売売上高
　　　　独４月製造業ＰＭＩ確報値
　　　　ユーロ圏４月製造業ＰＭＩ確報値
　　　　英４月製造業ＰＭＩ確報値
　　　　ユーロ圏４月消費者物価指数速報値、ユーロ圏３月雇用統計
　　　　米４月雇用統計
　　　　米３月製造業受注
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【前回のレビュー】今後は日米関税交渉の行方が注目される。米中貿易摩擦の激化は米
ハイテク株の下げにつながり、米国株への売り圧力となる可能性もあり、予断を許さな
い状況となっている。トランプ発言などに振り回されやすい中、ドル円は上値が重いな
がらも上下に振幅して方向性を探る展開になるとした。

【過度な米国売り一服で、ドル円は下げ渋り】
　トランプ米大統領による米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）のパウエル議長の解任発言
騒動で、中央銀行への独立性を巡る懸念から米国売りとなったが、その後、トランプ米
大統領が解任報道を否定したことで米国売りは一服した。

　２１日には２０カ国・地域（Ｇ２０）財務相・中央銀行総裁会議に合わせて、加藤財
務相とベッセント米財務長官の会談を行う方向で調整が進んでおり、日本に対して円安
の是正を求めてくるとの観測がドル売り円買いにつながった。さらにトランプ大統領が
パウエル議長の解任を検討していると報じられたことから米国売りの様相を呈して、ド
ル売りが進んだ。この日は１４０円台半ばまでドル安円高が進んだ。

　２２日にはＦＲＢの独立性への信頼が揺らぎ、東京市場では米国売りの動きが加速し
て、ドル売りの動きからドル円は１４０円を割り込み、１３９．８０まで下落した。そ
の後のドル円は買い戻しの動きが進んでＮＹ市場では１４１．６０近辺まで戻りを見せ
た。ベッセント米財務長官の「関税を巡る中国との対立は長くは続かず、緩和していく
見通し」との発言なども支援材料となった。

　２３日にはトランプ政権は対中関税の大幅な引き下げを検討していると報じられたこ
とで、１４３円台半ばまでドル高円安が進んだ。トランプ政権が中国に対する強硬姿勢
を緩和するとの観測が流れた。また、ベッセント財務長官が日本との通商交渉で具体的
な通貨目標を追求するつもりはないと述べたこともドル円の支援材料となった。

　２４日に実施された加藤財務相とベッセント米財務長官の会談では、「為替水準や目
標などについての言及はなかった」と報じられており、市場は落ち着きを見せている。
東京市場では緩やかな円安に振れている。

【米経済指標の影響は当面は限定的か】
　　日米の経済指標やイベントとしては、２９日に米２月住宅価格指数、米２月Ｓ＆Ｐ
ケースシラー住宅価格指数、米３月雇用動態調査（ＪＯＬＴＳ）求人件数、米４月消費
者信頼感指数、３０日に日本３月小売業販売額、日本３月鉱工業生産指数速報値、日本
２月景気動向指数改定値、米４月ＡＤＰ雇用統計、米第１四半期ＧＤＰ速報値、米４月
シカゴ購買部協会景気指数、米３月個人所得・個人支、米３月個人消費支出（ＰＣＥ）
価格指数、１日に日銀金融政策決定会合（４月３０−５月１日）金融政策発表、植田日
銀総裁記者会見、米新規失業保険申請件数、米４月製造業ＰＭＩ確報値、米４月ＩＳＭ
製造業景況指数、米３月建設支出、２日に日本３月雇用統計、日本３月有効求人倍率、
米４月雇用統計、米３月製造業受注などがある。

　米雇用統計をはじめとして、注目度の高い経済指標の発表が相次ぐ。ただ、トランプ
米大統領の関税関連の報道の影響が大きく、米経済指標への注目度が相対的に下がって
いる。米中の貿易問題を巡る対立が激化するのか、緩和に向かうのか、これによっても
市場への影響度合いは変化するとみられる。

　なお、今回の日銀金融政策決定会合では政策金利は据え置きになるとみられる。植田
日銀総裁の記者会見では利上げに関して、時期を明示するような発言はなく、影響は限
定的にとどまりそうだ。

　ドル円は１３９円台後半まで下落した後に１４３円台半ばまで戻りを見せた。トラン
プ米大統領の発言や関税関連の報道でドル円は上下に振幅するものの、明確なトレンド
は出にくくレンジ相場となる可能性が高そうだ。ドル円の目先の予想レンジは、１３
９．００−１４６．００円。

【ユーロドルは調整一巡後は再び上昇か】
　２２日には欧州中央銀行（ＥＣＢ）のラガルド総裁の発言が伝わった。インフレを
２％へと戻す目的はほぼ達成したが、経済情勢は一段と不安定なため引き続き柔軟な姿
勢でいる必要があるとの考えを示した。市場では年内のＥＣＢの利下げ観測がなお根強
く、年内にあと２−３回の利下げが織り込まれている。

　ユーロドルは２１日にドル売りの動きが加速して、１．１５７０台まで上昇した。２
２日には１．１５００ドル超では上値が重く下げに転じた。米中対立を巡る過度な警戒
感の後退がドル買いにつながった。２３日にもこの流れは続いて、１．１３１０近辺ま
で下落した。ユーロドルは１．１３００ドル近辺では底堅く、反発に転じており、上値
を追う展開になるとみられる。ユーロドルの目先の予想レンジは、１．１２００−１．
１６００ドル。

　ポンドドルもユーロドルと同様にドル売りの動きから、２１日には１．３４２０台ま
で上昇した。その後はドル安一服でドルが買い戻されて１．３２３０近辺まで下落し
た。高値からの下げが限定的となるなど、底堅い動きを見せている。こうした中、調整
が一巡すると、上昇基調で推移するとみられる。ポンドドルの目先の予想レンジは、
１．３２００−１．３５００ドル。

　日米以外の今後の経済指標やイベントは、３０日に豪３月消費者物価指数、豪第３四
半期消費者物価指数、中国４月製造業ＰＭＩ、中国４月サービス業ＰＭＩ、中国４月財
新製造業ＰＭＩ、スイス４月ＫＯＦ先行指数、独４月雇用統計、独第１四半期ＧＤＰ速
報値、ユーロ圏第１四半期ＧＤＰ速報値、独４月消費者物価指数速報値、１日に豪３月
貿易収支、スイス３月小売売上高、２日に豪第１四半期生産者物価指数、豪３月小売売
上高、独４月製造業ＰＭＩ確報値、ユーロ圏４月製造業ＰＭＩ確報値、英４月製造業Ｐ
ＭＩ確報値、ユーロ圏４月消費者物価指数速報値、ユーロ圏３月雇用統計などがある。

MINKABU PRESS 佐藤昌彦

※投資や売買についての判断は自己責任でお願いします。

為替週間展望＝ドル円は明確なトレンドは出にくくレンジ相場か