斎藤 岳@アイデアブック
株と仮想通貨の投資をメインに行っています。 12年ほどゴールドマン・サックスの自己勘定部門及びヘッジファンドチームで投資をしてました。 基本的にボトムアップの... Read more
ウクライナ戦争を機にエネルギー価格は上昇し続けている。戦争の帰着がどうなるかわからないが、どういう結末になろうとも西側諸国は今後ロシアへのエネルギーの依存を低下させていくだろう。その結果として、ロシア産以外のエネルギー需要は増加し価格の高騰、ないし高止まりが続く可能性がある。 この影響は日本も同じであり、ロシアからの天然ガスの輸入を止めるかどうかに関わらず今後ロシア産が増えることはなく、価格の高い調達先から輸入せざるを得ないと想定される。という前提を考えた場合に電力会社の業績に与える影響を考えてみたい。結論から言うと、電力会社によっては基準燃料価格が変更されない限り今後決算は厳しくなる、場合によっては減配リスクもあり得ると考えている。安定配当、有事の際のディフェンシブ銘柄とされていた電力株には痛い要素となり得る。 電力会社は個人向けの小売りから法人契約など様々な商品があるが、大まかに言えば、基本的には燃料価格が上昇すると数か月遅行して電気料金も値上げすることで一定の利益が確保される構造となっている。もちろん値上げまでに遅行するためその間は利益マージンが圧縮されることにはなるが、逆に燃料価格が下落しても値下げもまた遅行するため、長い目で見れば一定の利益率を確保できるような仕組みとなっている。 そのため一見すると燃料費高騰による影響は中期的にはないと考えられ、現在のような地政学リスクが
今回は日揮を紹介。ウクライナ侵攻によりロシア経済がグローバル市場から遮断される事態となっているが、侵攻の行く末やこの経済制裁がどこまで続くかに関わらず欧州を中心にエネルギー政策の大転換が進められるのは想像に難くない。 具体的には、ロシアから輸入している天然ガスを他から調達する流れが加速するのは誰でも思いつくところ。ただそうなるとこれまで陸続きだからできたパイプラインによる輸出入は困難になることから、液化施設、つまりLNG基地が輸出側、輸入側の双方で必要となってくる。ということで日揮をご紹介。 週末にドイツがLNG基地の増設を軍事予算で行うとの発表もあり、この流れの加速を裏付けている。なお、だぶついてくるロシアの天然ガスはどうなるのか。価格はかなり安くなるだろうから、実はそれを輸入できる中国はグローバル対比で低コストでのエネルギー調達ができて生産活動が行えることが、中国経済のグローバルにおけるプレゼンスのさらなる拡大に繋がる可能性もあり、ではそれを欧米諸国が良しとするのかなど、このロシアの天然ガス問題は考えると様々な波及があり得るので投資ネタは尽きない可能性がある。 それはまた今後考えるとして、今回はストレートにLNG基地の設計から建設、保守まで行える日揮を考える。日揮(1963)は主に総合エンジニアリング事業と呼ばれる、様々な大規模プラントの建設を受注して行う企業である。 (会社H
これまで繰り返し触れているが、金融政策の路線の違い、金利差拡大などから今年はインフレや金利の表裏一体として、円安が1つのテーマになると考えている。最近でも円の実質実効為替レートが50年ぶりの安値となったとあり、50年前といえばドル円が固定レートだった時代なわけで、変動相場に入ってからは最安水準。 ウクライナの地政学リスクによってこの流れが中断される可能性もないことはないが、基本的な流れは円安方向が是正されにくい状態だと思っている。ということを前提としつつ、為替レートだけの投資は個人的には苦手なので(かつ、それならドル買って寝てればいい)、もうプラスαということで今回はフランスが原発開発を再開するという報道をもとに原発関連の部材輸出メーカーを調べることにした。 今回紹介するのは5631日本製鋼所。震災以降はEV関連会社として認知されているが、かつては原発部材で最も高い安全性が求められる原子炉の部材メーカーとしても有名だった。 事業セグメントとしては、産業機械と素形材・エンジニアリング事業の2つに分かれる。産業機械は、例えば、EV車に搭載されるバッテリーにセパレータフィルムという電極の間にある仕切りのようなフィルムがあるが、そのセパレーターを製造するための装置を販売したり、プラスチック素材を生産するための装置である射出成型機を主に自動車業界用に販売していたりしている。その他、スマホ用の
この1週間で米国の雇用統計、CPIと、もはやテーパリングと利上げが緩む気配のない統計が出てきて、米国長期金利も2%の大台に戻してきた。 ここまでくれば米国の金融引き締めは明確であり織り込みもしやすくなってくる。そして日本への影響を考えると、日本のインフレ率、金利、為替にどう影響してくるのか日銀のアクションも重要な要素となってくるが、今週毎日新聞の取材で黒田総裁がわりと衝撃的なコメントをしていた。 結論から言えば、日本の金利の底はようやく見えたとも言え、円安と金利上昇(下がらないという意味でも)のシナリオの蓋然性が高まったのではないかと考える。 以下、毎日新聞の記事を抜粋。 「エネルギー価格が一時的に上がることで(企業間の取引価格の動向を示す)企業物価は上がっているが、消費者物価も大きく上昇する可能性は極めて低い。22、23年度に2%になると考えている(日銀の)政策委員はいない」 「日本は欧米より景気回復のテンポが遅く、物価上昇も0・5%程度なので、金融緩和の縮小や引き締めに切り替える必要はないし、あり得ない」 海外で起きて懸念視されている7%というインフレを念頭に、日本ではそのようなことは起きないから問題ない、金融緩和は継続するから安心してほしい、ということを言いたかったのだと思うが、「向こう2年で2%になると考えている政策委員がいない」とはっきり言ったことはかなり驚き。 もしそう
この1週間でマーケットは4-5%ほど回復しており、FOMC周りの話はいったん落ち着いた模様。今週は日本の住宅ローンの金利も5年ぶりの高値になったなど、金利上昇がじわじわと来ているニュースも出ていたが、少し落ち着いたところでウクライナ紛争問題を考えてみる。 過去の地政学リスクが顕在化したときの世界的な株価下落局面では、(なぜか)日本株が大きく下げるなど、結果的に地政学リスクに対して日本株はかなり脆弱となっているので注意したい。 ラブロフ露外相とブリンケン米国務長官による、ジュネーブでの直接会談でも緊張緩和の糸口を見いだせなかったことを受けて、株式市場でもウクライナ紛争リスクが徐々に意識され始めてきている。ウクライナ侵攻が起きるかどうか、また起きた時にどういった戦争になるか、予想することは難しいが、状況を整理したく、米のCSIS、ハドソン研究所、ランド研究所、英の王立国際戦略研究所(Chatham House)、独のドイツ国際安全保障研究所(SWP)の対ロシア戦略アナリストに話を聞いた人から情報を得たので、ここでシェアする。 <なぜロシアは2014年上回る大規模な兵力でウクライナ侵攻準備を進めるのか> 2014年以降、ウクライナ国境での紛争は数年おきに繰り返し起きていたが、今回はロシア軍13万人のウクライナ東部・南東地域国境への動員という、過去最大規模に拡大していることに加え、バイデン
1週間で日経平均は1%の下落、S&Pは4%近い下落をし、米国株式の大きくアンダーパフォームする結果となっている。先週から続く利上げの警戒に加えて、利確の動きが投資資金が集中していた米国株に起きていると見られるが、結果的に米国のグロース株は大きく下がりコロナ以降のバリュー株のパフォーマンスが追い付いてきている。 Financial Timesの記事にもなっているが、キャシーウッド率いるグロース株ETFの代表的な存在であるARKのETFと、バフェットのバークシャーハザウェイ株のパフォーマンスがついに一致することとなった。昨年は倍以上の開きがあったのが足元の金利上昇⇒グロース株下落の流れの中で、ARKのETFが大きく下落。こうなってくるとグロース株がバリューに近くなってきたわけで、そろそろグロース系も物色していいのでは?と思い始める。 ちなみに国家単位でいえば、バリュー代表の日本とグロース代表の米国で比較したのが下のグラフ。 昨年のデルタ株騒動で日本だけが行動制限をかけ始めた時期からパフォーマンスは開きはじめ、まだギャップは残ったままとなっている。短期的にはFOMC次第でS&Pは上にいくことも十分あると思うが、ウクライナ問題もそうだが、金利の絶対水準がまだ低いことを考えると年間通して2015年前後のときのような乱高下がありそう。指数は手を出しにくいが、下がりきった個別株を買って指数をショ
1週間でS&Pは3%強下落、日本株も4%強下落している。 一瞬落ち着いた金利上昇も再度点火しているなか原油高も止まらない。このグローバルの下げは、もちろん原油高をはじめとしたインフレ懸念とそこからくる利上げ懸念がキッカケであるが、先週まではセクターローテーションにとどまっていたものの、今週に入って幅広い業種で利確が行われておりリスクオフ。 金融株も今週に入って息切れしつつあり、相対的には買っているものの利確の動きが目立ち始めている。特に昨日GSの決算が出たが、想定以上に振るわないトレーディング収益であったため、金利恩恵として注目されていた金融セクターの利確の号砲となった。 幅広くリスクオフとなっているものの、金利は下がっておらず、株式と為替のみがリスクオフの世界線で債券が買われていることもない。利上げ警戒である以上、当然と言えば当然であるが現金化されたものの向かう先が今後気になるところ。 日本株は政策リスク含めて輪をかけて弱気にならざるを得ない可能性がある。原油高、インフレ、金利上昇は、もはや日本も他人事ではなく影響を受けつつあるが、足元原油が大きく上昇し始めたのはオミクロンによる経済封鎖の可能性が下がったことも起因している。需要が減らないのであれば原油は下がらない、という構図であり、実際に米国も経済に影響を与えかねない行動制限は現時点では行ってない。そのような中で、日本は政策によ
1週間を経て金利は高止まり(といっても絶対値としては高くもないが・・)を続けている中で、株式市場は調整、というよりかはポートフォリオの入れ替えが進んでいる印象。 日本の長期金利も0.14%と黒田総裁のなかでも高い水準にあり、金利上昇メリットの大きい金融株が中心に独歩高の展開となっている。他はとりあえずValuationの低い銘柄や配当の高い銘柄への逃避が続いているが、緊急避難的な要素も強く今のままでは定常化するかどうかはやや疑問。ただ、前回から続くが、期待と恐怖が入り混じりつつも、日本でも金利が上昇する大相場がくることを真剣に考え始めている。 その1つの観測としては、日銀がメドとしている長期金利±0.2%のレンジを超えてくる動きを見せるかどうかがポイントとなろう。そしてそれは黒田日銀の中で最も恩恵の受けたマーケットの1つである不動産にとって、過去10年の前提が大きく変わるターニングポイントになり得る。 たまたま本日、新築マンションが年収の何倍で買えるかを表す「年収倍率」は都内で13.4倍となっており、黒田さんが日銀に就任した時期は10倍を切っていた、というニュースが流れた。 https://news.yahoo.co.jp/articles/db51caaf5892e97794950e2243f91851174257f0 このニュースでも触れているが最大の恩恵は低金利環境であったこ
あけましておめでとうございます! モーニングコメントから改めて、週2回の投資家コーナーとして、私たちが注目してるマーケットや銘柄について話していきたいと思います。今年もよろしくお願いします。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 年明け早々に米国金利は大きく上昇しており、今さら利上げを織り込みに向かってるような展開となっている。気づけば長期金利も1.64%という水準にまで戻った。株価含めてコロナ前の水準をとっくに回復している中で、金利だけがコロナ前よりずっと低い水準であったが、12月のFOMCでも金利は動かないなどそのギャップが広がる中、ようやく金利も同じ絵を見始めたような動きとなってきている。 金利の絶対値は引き続きまだ低い上に、これまでも実際のイベントが近づいて来ないと反応しないことも多かったので、上述の通り今さら感はあるものの、こうやって何かがキッカケで上昇することには違和感はない。今年のマーケットの注目点は、アメリカのインフレがどこまで続き、賃金上昇や雇用者数含めて、どういう着地を見せるかであろう。 ただ個人的には、日本にもこの流れが波及するかどうかに注目している。先月の24日に発表された11月の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が100.1と前年同月に比べて0.5%上昇と、1年振りの高水準だった。 (↑総務省発表資料より抜粋。https://www.e-stat.go
昨晩の米国市場は急上昇。金利も上昇し、典型的なリスクオン。日によって気分がかわるマーケットが続いている。バイデン大統領が経済封鎖に対して否定したことがキッカケであろう。マーケットはオミクロンそのものよりも、それに起因する政策に懸念していたわけであり、欧州のようにまたしてもロックダウンとならないのであれば、安心して買えるとなったのかと思われる。 まぁこういう相場に毎日真剣に寄り添う必要はないので、繰り返しとなるが少し長い視点でものを見ておけばよさそう。ポーズでも過剰にしがちなコロナ対策はリスクとしてあるが、特に金融政策を先に正常化させるべく動いているのだから、政策もそれに沿った経済重視なものにしないとコロナ対策によってコロナ以上の弊害が出る。ということくらいはわかっているよ、ということが米国では確認できたことが昨日の収穫なのかもしれない。もっとも、同じ信頼を日本におけるのか?と言われると、支持率状況で政策が変わりそうでもあり、金融政策を先だしすることは難しそう。日本ではインフレ自体がまだほとんど起きていないのでその必要性すらないが、黒田さんも選択肢が多くない、難しい展開が続きそうだ。 話変わって、やや世間から興味が失われつつ中国の不動産市況だが、どうも中国政府は11月後半から不動産業界への引き締め一辺倒から緩和の方向に舵を切りだしている模様。これまで三条紅線(スリーレッドライン)と呼
金曜日の米国市場は、ダウ、S&P中心に下落。その前日のNASDAQ中心のグロース株下落から交代で売られることとなった。テーパリング加速と利上げの前倒し観測の話題から再びオミクロン株のへの懸念が台頭し、混乱というよりかは、もはや売る理由があれば何でもいいような状態となっている。結果的に金融引き締めの割には金利はさらに低下することとなり、金融株も売られることとなった。 短期的には整合性の取れない動きとなっているため非常に読みづらい展開となっているが、オミクロン株を理由に下落するのであれば関連銘柄は再度拾うチャンスだと思っているし、金利も遅かれ早かれ上がるのであれば金融株も保有しておけばいいと思っている。ただしあまりまともな動きの相場でもないので財布に余裕は残しておきたく、2週間以上前のオミクロン騒動時まで下がるかそれを割る水準になるまでは、打診買い程度でもよさそう。 やや濃いリスクかもしれないが、ホテルリートのJHRなどがもう一段下がるなら長期目線で買ってみてもいいかと考えている。オミクロン騒動もあり年初来安値にまで下がってきているため、ホテル復活の期待値がなくなるのであれば買ってみたいと思っている。ホテルはコロナ後の世界を狙って不動産ファンド等による買収の可能性だってあり得ると思っており、すべては値段次第だが個人的にはオフィスよりも面白いと思っている。今年の分配金利回りは、たったの0
昨晩の米国市場は、全体的に下落。とくにNASDAQが大幅下落となった。FRBがテーパリング前倒しを決定し、テーパリング終了後の利上げが意識されてバリュエーションの縮小に嫌気がさされた展開となった。FRBが具体的なアクションをしても問題ないようなポジションを考えてはいたものの、実際にアクションするとは個人的には思ってなかったのでちょっと驚いた。もっともその後の株価の展開の方が驚きでもあり、初日の反応は素直に外したと思う。 引き締めが織り込まれたというにはほとんど下がってないような水準であり、不透明感からの脱却として買われた初日の反応は意外であったが、さすがに昨晩はしっかりと高バリュエーション株が売られ金融株が買われる展開となった。1日遅れてようやく少し理解しやすい展開となっている。 一方で債券市場はほとんど動いていない。金利も結局はほとんど上がっておらず、先高観はあるにせよ現時点では低金利でとどまっていることは株式市場にとっても下支えになりそう。また金についても発表後は下げていたものの昨晩は価格を戻しており、引き締めや利上げの影響は今のところない。ビットコインも同様。 ということで、政策発表から市場の反応に至るまであまりかみ合わなかった一週間であったが、幸い下がったわけでもなく、あとは昨晩のようにグロースというよりバリュー株や金融株が上がることに期待といったところ。もう少し時間がたっ
米国株式市場は下落。昨晩発表された11月の卸売物価指数は前月比0.8%上昇、前年同月比9.6%上昇と、市場予想である前月比0.5%上昇、前年同月比9.2%を超えるもので、卸売指数から遅行してCPIに反映されていくことを考えると当面のインフレはやっぱり予想より強い?ってことで、昨晩はFOMC懸念ということで売られた。 どのみち今晩には出てくるわけなので直前の動きにあまり意味はないのだが、多少警戒感を持った形でイベントを迎えるほうがFOMC後の動きはマイルドになりやすい。そしてようやくではあるが、FOMC警戒によって金利は上昇した(といってもわずかではあるが)。昨日は株式市場の懸念と債券が久しぶりに一致した動きを見せ、指数は下落する中でも金融株は逆行高をしており、これまで言い続けてきた金融株を組み込んだポジションというものがワークしていた日であった。そういう意味では昨晩の市場は、FOMCで何かしらアクションがあった時のマーケットがどう動くかの小さなテスト、と言えて一応の手ごたえは得られたといったところ。 あとはFOMCで市場が下がったときに何を買うべきかイメージしておくくらいだが、案外シンプルに円安メリットの大きい会社の株をちょっと買ってみるというのもいいかもしれない。 全く話が変わるが、不動産会社のレーサムをほんの少しだけ見始めている。最近創業者が退陣し、株式も設立した一般社団法人に
金曜日に11月の米国CPIが発表された。前年同月比+6.8%と市場予想通りの結果であった。10月の+6.2%から加速し、約40年ぶりの大きな伸びとなっているが、市場予想と変わらなかったことから、今種控えるFOMCに影響を与える指標の割には金曜日の米国市場はそれほど大きくはCPIに反応しなかった。 マーケットの受け止め方としては、FRBがより積極的にインフレを抑えにいくアクションをする結果ではなかったとのことのようだ。金利はほぼ変わらず。この2週間で乱高下していたが、それでも金利はまだ下がったまま戻しきってはおらず、その中でCPI発表後もフラット~やや微減という状況であるため、今週水曜日のFOMCではパウエル議長が追加的な金融引き締めをするとは全く思っていなさそうな水準といえる。多少のコミュニケーションの調整は織り込み済ということだろうか。 株式市場も上昇。より積極的な金融引き締めが少なくとも水曜日にはないということであれば、安心感から買いの継続に繋がったのだろう。S&Pは最高値をさらに更新する結果となった。日本株が週の後半に利食いの売りや警戒感からの売りが出ていたことに比べると、相変わらず非常に素直というかポジティブなマーケットである。 水曜日のFOMCがおそらく年末までの最後にイベントであろうが、そこでは何もないということがコンセンサスになりつつあるのであれば、やはり金利上昇が起
昨日の米国市場は、ダウはフラットだったが、NASDAQが下落。高バリュエーション株を中心に下落していることから、やはり今晩のCPIの動向や来週のFOMCの動きが警戒され始めている模様。いったんオミクロン相場は終わりということで下で買った分の利確はしておいてもよさそう。もっとも債券市場はそうなっておらず、利回りは再度低下している。 今晩のCPIで何が出たらどうFOMCが変わるか、というのも難しい話だが、予想を大きく下回る結果とかでもない限りは市場の警戒感はFOMCまで続きそう。ではFOMCで何かビッグサプライズがあるか?と言われると、実際のところはそうでもないような気が個人的にはしている。テーパリングの加速にせよ、利上げへの何らかの言及にせよ、それがあったところで、それらはいつかは起きる話でもあり、短期的な混乱はあるにせよこの話だけでマーケットが長期低迷するとは考えにくいと思っている。 やや気がかりなのは、イギリスがより厳格な制限措置を導入するとしたところ。オミクロンの実態がまだ正式にはよくわかってないものの、懸念するほどのものではないという声が聞かれ始めている中では、より厳しい措置となっている。オミクロンの医学上の実態がどうであれ、取られる政策が厳しいものになれば当然景気にはよくない。その分政策でカバーされることが前提となってくるが、オミクロンへの評価や対策の方向性が語らまない時に
株式市場は大幅に上昇。オミクロン株の状況が徐々にわかるにつれて、毒性は低く脅威ではないことがわかり始めたので徐々に懸念は後退している。詳細が判明するまではしばらくかかるだろうが、やはりオミクロン株騒動は単なる買い場提供に終わりそうな雰囲気ではある。あとは今月のFOMCくらいだが、こちらもある程度タカ派のメッセージがきたところですでに織り込まれているともいえる。ただ金利はまだ低い水準にとどまっていることから、FOMCが近づきよほどハト派なメッセージでもない限りはもう一段上はあり得そう。 月曜日にも書いたことだが、この観点で言えばFOMCの後押し?という視点でも金利の方がさらに上に行く余地はありそうなので、この2日でだいぶ戻したものの金利敏感株は他比較でもう少し上があってもよさそうか。この1-2週間で買ったものは全体が戻すにつれて利確していくべきだとは思うが、一部は金利敏感株にスイッチして持っておく予定。 この1-2日はオミクロン株騒動の反動相場となっているので、逆に追加ニュースも少ないし言及する内容も特にない。あまり短期的なトレードはしないものの、今はオミクロンとFOMCと割と短期で決着というか動きがある相場でもあるので短期的な予想とトレードの予定を想定しておいたほうがよさそう。 FOMCネタがやや忘れ去られているか、もう十分織り込まれたと想定されていると思うのが、FOMC直前には警
11月の雇用統計が金曜日に発表。非農業部門雇用者数が前月比+21万人と市場予想の+55万人を大幅に下回った。一方で失業率は4.2%と前月の4.6%からさらに低下し2020年2月以来の低水準となった。なお、10月の雇用者数の増加は54.6万人と当初の53.1万人から上方修正されている。賃金も引き続き上昇。前月比+0.3%、前年同月比+4.8%となった。雇用者数の増加幅はそう大きくはないが、失業率の低下と賃金上昇の継続からテーパリング加速の議論に支障はないとの声が大きい。12月の金融政策決定会合でテーパリング加速について検討すべきとパウエル議長は先週証言している。 これをうけて米国株式市場は序盤こそ上昇していたが、雇用統計発表後にテーパリング加速を警戒して下落へと転じた。一方で金利は逆の動きとなっており、雇用統計発表後に上昇したが、全体的なリスクオフの流れや景気悪化を懸念して最終的には大きく金利は下がっている。利上げを織り込みにいく動きにはなっておらず、来週の決定会合後の展開が待たれる状態となっている。 そんな中で、リフィニティブのデータによると、S&P500の企業の今後4四半期(21年第4四半期─22年第3四半期)の業績予想に基づくPERはは21.2倍と発表された。PERの水準だけで言えば割高と言えるほどの水準にもなく、あとは業績が予想通り達成できるかどうか次第となっている。2021
昨晩の米国株式市場は大きく上昇。これといったニュースがあるわけでもないが、オミクロン株への動揺が始まって以降大きく売られていたバリュー系や旅行系の銘柄が反動で大きく買われることになった。相変わらずオミクロン株に対しての懸念と消化が定まっておらず、値動きの荒い展開となっている。そこに輪をかけて、FRBのタカ派なメッセージも効いているのだろう。平時であれば、まぁそうだよね、というレベル感の話だがオミクロン株への懸念のせいでマーケットも冷静な評価が出来ていないように思う。 繰り返しであるが、オミクロン株による経済への打撃があるのかないのかで政策の方向性も変わってくるし、現時点では影響が読めないので影響がないのであればという前提の会話に過ぎない。もっとも、オミクロン株の経済への影響、というよりそもそもどれほどの脅威なのか?というのも、現時点では感染者数の拡大に比例して重症者や死亡者が増えているという話はあまり聞かない。もうあと2週間ほど最低でも必要なんだとは思うが、重症化率や死亡率が減少するのであれば、感染者数が増えても大した問題でもないだろう。そうなれば経済への影響もそもそも大したことない、という可能性も十分ある。 日本株も個別株をみると売り込まれている銘柄が非常に多い。今週はレジャー系を仕込んで半年寝てたらいいのでは?と話したが、他にも賛否両論ありそうなソフトバンクグループなんかも気に
昨日の米国株式市場は大きく下落した。先週金曜日末の下落後と比べて、ダウとS&Pが1%近く下回る水準となり、一方でNASDAQは金曜日末より0.3%ほど上昇している。FRBのパウエル議長がインフレについて一過性ではない可能性があると言及したことや、テーパリングの加速についての議論を検討すると発言したことで、予想に反してタカ派であったことが下落の大きな背景。オミクロン株への懸念がある中でのタカ派発言となり、マーケットは混乱することになった。 もっともパウエル議長自身も、オミクロン株についてはこれらの発言や見通しに含まれていないと言っており、オミクロン株が経済に与える影響について今後の詳細情報を待つと言っている。つまり、オミクロン株が経済に影響を与えない、というより考慮しない前提での上記の会話であり、影響が与えるなら当然話も変わってくるだろう。そのため、オミクロン株と金融引き締めの両方を懸念するのはナンセンスだと引き続き考えている。 月曜日のマーケットコメントでも書いた通り、この一連の混乱は過剰反応だと思っており、日経平均が28,000円を割ったところからヘッジの先物の売りのカバーを始めている。現実はオミクロン株の影響はそう大きくないという結論になると予想しているが、影響が大きくなるのであれば政策のサポートをせざるを得ない局面が出てくると考えている。インフレはもちろんリスクではあるが、イ
先週金曜日の米国市場は、大幅下落。コロナのオミクロン株登場に投資家心理が急速に悪化し、原油及び金利が急降下。株式市場も大きく下げることになった。タイミング悪く感謝祭翌日で休暇を取っていることの多い日程でもあり、取引自体も半日で終了する薄商いの日であったため、一方向に動きやすかったことも大きな理由であろう。日経平均先物も27,850円まで下がっている。 コロナの変異株が現れること自体よりも、それによってこのようなマーケットの反応があることは正直に言ってサプライズ。年内はもうイベントもないんじゃないかと思っていたが、その矢先にいきなり予想を外してしまった。ただ先週金曜日のマーケットの反応はかなりオーバーリアクションだと思っている。オミクロン株が結局どういう影響があるのか今一つわからないが、感染者数が増える⇒ロックダウン、という図式を心配しているのであれば、むしろリスク資産は買いだと思っている。過去2年間の繰り返しであり、金融緩和継続、ないし拡大、財政のさらなる拡張が予想されることから、これまで見てきたコロナ禍における資産価格拡大の再現だと想定している。 実際にはオミクロン株自体が経済に与える影響はそう大きくないとは思うし、だからこそ金融緩和や財政に与える影響もあまりないと思っているが、そうであるなら金曜の下げは行き過ぎており反発が期待できるのではないか。過去に変異株は何度も出てきたが、